ビタミンK2も豊富、骨粗鬆症の予防に納豆を
「ナットウキナーゼ」に続き、納豆の持つ特筆すべき栄養素「ビタミンK2」についてご説明します。
脂溶性のビタミン「ビタミンK」には、ビタミンK1~K4の4種類があり、そのいずれにも「血液を凝固させる(止血)作用」「カルシウムを骨に定着させる作用」があります。
ビタミンK1は私たちがふだん食べる野菜や海草類に多く含まれているのに対し、ビタミンK2は微生物が作り出すビタミンであり、通常の食材にはなかなか含まれていません。
ビタミンK2はチーズやヨーグルトにも含まれていますが、含有量では納豆が世界一なのです。
ところで通常、ビタミンKの摂取不足になることはまず無いと言われます。
実は、ビタミンK2は人体の腸内細菌によっても作り出されており、供給そのものが途絶えるということがまず無いからです。
しかし、高齢者の場合はちょっと事情が異なり、加齢とともに腸内の善玉菌のはたらきが弱まることからビタミンK2を作り出す力も衰え、ビタミンK2が不足しがちになります。
さらに、日本国民が一日の必要摂取量を満たしていないとされる「カルシウム」は、年齢を問わずみんなただでさえ摂取不足なわけです。
ちなみに納豆は、良質のカルシウムも多く含んでいます(さまざまな栄養成分がもたらす、健康維持効果 ご参照)。
いずれにしてもこれらがあいまって、高齢になるに従って骨量・骨密度が減少し、いわゆる「骨粗鬆症」リスクが高まっていくことになります。
よって、カルシウム不足を改善するために牛乳や乳製品を摂ることももちろん大切ですが、カルシウムだけ摂取すればよいわけでなく、ビタミンK2もあわせて摂ることにより、カルシウムの骨への定着を促していくことこそがポイントなのです。
したがって、世界でもっとも多くビタミンK2を含む食品と言われる納豆を日々食することは、骨粗鬆症の予防に大いに効果があるとされています(ちなみにビタミンK2は、骨粗鬆症の薬としても認可されています)。
骨粗鬆症といっても、決して高齢者だけの問題ではないのです。
日本人のそもそものカルシウム不足、さらにはインスタント食品の普及によって、カルシウム吸収を妨げる「リン」の摂取も、あらゆる世代において過剰になりがちです。
カルシウムは不足すると、骨から血液中に溶け出していきます。
つまり若い時から骨の健全な形成を妨げる環境に囲まれているうえに、年々の加齢による骨量の減少が加わることで、骨がもろい・折れやすい・骨粗鬆症になりやすいという危険因子が、世代を超えてどんどん強まっているのです。
その予防と健全な骨形成のためにも、乳製品などカルシウムを含んだ食品群に、一日一パックの納豆を食卓に追加するようにしたいものです。
なお例外的な注意となりますが、心疾患系の治療・手術などにより抗凝血薬(ワルファリン)を投与中の患者である場合は、ビタミンK2の血液凝固作用が薬の効果を阻害する可能性があるため、治療中は納豆を食べるのを控えるべきとされています。