納豆プラスαで、必須アミノ酸を摂取
大豆は栽培上日本の気候風土になじみやすく、また多くの肥料を必要としない作物であったことから、しょうゆ・みそ・豆腐などさまざまにそのかたちを変え、日本人の食生活に深く根づいてきました。
納豆の栄養は納豆の原料が大豆・水・納豆菌であることからして、基本的に大豆の栄養に由来します。
納豆100グラム(約2パック強)が含んでいるたんぱく質の栄養価は、卵でおよそ3個分、牛肉で約80グラムに相当します。
(納豆のアミノ酸(たんぱく質)についてはさまざまな栄養成分による健康維持効果 ご参照。)
成人男子が一日に必要な栄養所要量からみた場合、納豆100グラム(約2パック強)を食べることによって、たんぱく質で全体の約25%、カルシウムは15%、ビタミンB2は40%を満たしてくれます。
納豆菌を繁殖させることで、単に大豆を煮ただけの時より消化吸収率もアップします。
また、豆腐やきな粉・煮豆といった大豆加工製品のなかでも、その栄養量はナンバー1です。
納豆は1グラム中に100億以上の納豆菌を含み、腸内の腐敗菌を抑えるはたらきがあります。
これにより下痢や便秘を防ぐとともに、腸のはたらきの正常化を助けます。
また納豆菌は消化を助けるさまざまな酵素も含んでいるため、消化作用も促してくれます。
米飯やパンなど穀物類を中心とした食生活では、必須アミノ酸の「リジン」が不足しがちな栄養素となっています。「必須」アミノ酸と言うくらいですから、一つでも欠けると「栄養不足」ということになってしまいます。
一方で納豆はリジンは充分に含むものの、同じ必須アミノ酸のひとつ「メチオニン」が不足しています。
そこでアツアツのご飯に納豆をかけて食べることにより、お互いに欠けている必須アミノ酸を補いあい、食事から摂取すべきたんぱく質が理想的な組成に近づいてくるのです。
もともと完全食品とされている「卵」を加えることで、良質なたんぱく質の摂取が、量的にもバランス的にもさらにパワーアップすることになります。
「ご飯+納豆・卵」という、いわば伝統的な日本の朝食スタイルが、一日のはじまりに摂取したい栄養バランスの面からみても、きわめて合理的なメニューになっていることが伺えますね。
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