日本のオリジナル食品「納豆」の優れた栄養


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一説には弥生時代、また文献上は平安時代からその存在を確認できる、歴史と伝統ある日本古来の食品「納豆」。


私たちになじみの深い「糸引き納豆」以外にも、塩辛納豆・干し納豆・揚げ納豆など郷土色豊かで様々な種類の納豆があり、現代はフリーズドライ製品や納豆成分のサプリメントに至るまで、食べ方の多様化も進んでいます。

日本人にとっての国民食であるこの納豆、皆さんは日々どれくらいの割合で食べているでしょうか。

納豆


ご存じのとおり納豆は、バクテリア(細菌)の一種である「納豆菌」で大豆を発酵させただけの、ある意味とてもシンプルな食品です。

作り方もシンプルで、伝統的な製法としては、柔らかく煮た大豆を稲の藁(わら)で包み、数日間あたたかい所に置いておくだけです。

大豆のたんぱく質が、納豆菌のたんぱく質分解酵素によってアミノ酸にまで分解され、独特の粘り気と風味を持つ納豆になります。

発酵を促すため、穴を掘って土や雪の中に藁を埋めておく伝統製法も、よく知られるところです。

この場合、稲の藁にもともとある納豆菌が大豆に移って発酵がはじまるため、わざわざ種となる菌を使う必要はありません。

しかし大量生産・大量消費時代の今、それだけの稲の藁を用意するのも大変ということで、皆さんがスーパーマーケットなどでよく見かける3~4個パックの納豆で使われている、発泡スチロール製の容器を使った製法が主流となっています。

こちらのほうは、蒸煮した大豆に培養した納豆菌を接種し、それを発泡スチロールの容器に入れてつくります。包装してから発酵室で保温すると、納豆菌が増殖して納豆になるわけです。

ちなみに納豆の発酵に必要な時間は、同じ発酵食品である味噌などに比べるとグッと短く、熟成期間を含めてもせいぜい3日程度です。

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パンやハンバーガー・シリアル・肉類など、食事の欧米化が進むにつれ家庭の食卓における納豆の存在感は薄れ、そのうえ「ニオイが嫌い」などと煙たがられながらも、細々と食卓の脇役に甘んじる時代が、ずいぶんと長く続いてきました。


しかし、食の欧米化がもたらした負の側面とも言える、高血圧・糖尿病・脳血管疾患・動脈硬化などいわゆる「生活習慣病」の激増が社会問題化している昨今、生活習慣病を退けるはたらきを持つ数々の栄養素を含んでいる納豆がいま、再び脚光を浴びつつあります。

(なお高血圧については、「高血圧~その症状と食事・生活習慣による予防」、糖尿病については「糖尿病 3分で知る症状と全体像~治療・食事・予防」を、それぞれご参照ください。)


3~4個パックで100円前後と一貫しておサイフに優しい廉価でありつづけ、しかもほとんど完全食品と言ってよいほどの栄養バランスを誇りつつ、「ナットウキナーゼ」「ビタミンK2」「リノール酸」「イソフラボン」といった、注目の栄養成分を豊かに含んでいる納豆。

かつて納豆の消費量が少なかった西日本においても、納豆の消費量は数倍ペースで増加しつつありますし、また納豆好きの外国人もそれほど珍しくなくなってきました(英語でも、そのまま「natto」で通じるケースが増えています)。


手を伸ばせばすぐ届くところにある、これほどまでにすぐれた食品を食べないことは、日本国民としての大きな機会損失にほかならない・・・と言っても、決して過言ではありません。


このあとのコラムでは、主に納豆が持つ個々のすぐれた栄養成分にスポットライトをあて、その効能効果についての最新情報と具体的メリットなどについて、わかりやすく解説してまいります。

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