さまざまな栄養成分による健康維持効果


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納豆の持つ特筆すべき栄養素として「ナットウキナーゼ」「ビタミンK2」を取り上げてきましたが、納豆は他にもまだまだ、健康のためにぜひ積極的に摂りたい様々な栄養素を含んでいます。

ここでは、納豆の含むそのほかの代表的な栄養成分について、主な特長をご紹介します。

たんぱく質

納豆の原料である大豆は、良質の植物性たんぱく質を含んでいます。

生命維持に不可欠なたんぱく質は、いわばアミノ酸の集合体ですが、大豆たんぱく質は「畑の肉」と言われるほどに良質です。

たんぱく質の有益さを示す「アミノ酸スコア」で言えば、肉・卵のほうが大豆よりスコアはたしかに高いのですが、肉などの動物性食品は一般に脂肪も多く含むため、脂肪分の摂取過剰が心配されます。

納豆などによって大豆たんぱく質をとる分には、そのような心配はないため、ぜひ積極的に摂取したいものです。


カルシウム

意外に思われるかもしれませんが、納豆には良質のカルシウムも、豊富に含まれています。

一パック(50g)の納豆が含むカルシウムは45mgほど、同量の牛乳の場合55mg程度ですから、量的にも質的にも、決して牛乳のカルシウムに引けをとるものではありません。

納豆の素晴らしいところは、カルシウムの吸収率を良くする良質の「植物性たんぱく質」や、カルシウムの定着率を高める「ビタミンK2」が、あわせて含まれている点です。

さらに納豆には、女性ホルモンに含まれ骨密度をキープするはたらきのあるエストロゲンと同じはたらきをする「イソフラボン」も含まれています。

高齢の女性にとって心配な骨粗鬆症の予防に、納豆が良いといわれるゆえんです。


リノール酸

「リノール酸」は体内で合成できないため、食品から摂らなくてはならない必須脂肪酸です。

リノール酸には、血中コレステロール値を下げる効果が明らかになっています。

ただしリノール酸を過剰に摂取した場合は、善玉(HDL)コレステロールを減少させたり、また酸素と結びついて過酸化脂質を生じやすくするという弊害もあります。

(コレステロールについては「コレステロールを下げる 3分レッスン」を、あわせてご参照ください。)


これを防ぐためにも、リノール酸とともに強力な抗酸化作用のある「ビタミンE」や「ビタミンC」といっしょに摂取することが大切になります。

幸いなことに納豆は、リノール酸のみならず、ビタミンEも豊富に含んでいます(ビタミンEは、摂り過ぎの心配のないビタミンです)。

納豆の糸の粘りにひそむ、味と栄養 でも述べましたが、ビタミンCが多く含まれるネギを薬味に、納豆にあわせて食べるのもよいですね。

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サポニン(大豆サポニン)

納豆に含まれるサポニンは「大豆サポニン」とも呼ばれ、体内に血栓をつくって動脈硬化を進行させる元凶となる「過酸化脂質」の生成を抑えるはたらきがあります。

そのため、サポニンは脂肪肝や脂質異常症(高脂血症)・肝障害の予防にもよいとされています。

(脂肪肝・脂質異常症については、「脂肪肝の症状と治療 食事療法と運動」「高脂血症、何が問題か~原因と治療(薬・食事・運動)」を、あわせてご参照ください。)


また大豆サポニンには、ブドウ糖が中性脂肪に変化するのを抑えて、血中のコレステロールを減らす作用もあります。

サポニンは水や熱に弱いため、その摂り方が難しいのですが、納豆ならばサポニンの栄養分を失わないかたちで摂ることができます。


イソフラボン

「イソフラボン」は大豆に含まれる、骨粗鬆症の予防・改善に効果が期待される成分です。

とくに閉経後の女性は、女性ホルモンである「エストロゲン」の不足によって骨からカルシウムが溶け出しやすくなるのですが、このエストロゲンと同様の作用が認められるのが「イソフラボン」です。

納豆などの大豆製品に含まれるイソフラボンが、いわゆる「妊娠うつ」の予防に効果があるとする研究成果も近年発表されており、今後の進展を期待したいところです。

【PDF】大豆製品、イソフラボン摂取が妊娠中うつ症状と予防的な関連(愛媛大学 プレスリリース)


(イソフラボンの効能については 大豆イソフラボンと更年期対策~効果はあるか もご参照ください。)


レシチン(大豆レシチン)

レシチンは、脳や神経系を構成するのに必要な物質で、「リン脂質」が正式名です。

レシチンは卵黄にもっとも多く含まれますが、大豆にも多く含まれ「大豆レシチン」と呼ばれています。

レシチンには血液中の悪玉(LDL)コレステロールを分解し、排泄するはたらきがあるため、動脈硬化や脳血管疾患の予防に効果的な成分とされています。

さらに血糖値を下げたり、脂質代謝を正常にするはたらきもあります。


食物繊維

納豆の原料となる大豆は、食物繊維を多く含んでいます。

大豆の食物繊維は水に溶けない「不溶性」で、腸の活動を活発化させ便秘予防・解消に役立つとともに、有害物質の排泄、そしてコレステロールや糖質の吸収を遅らせるはたらきがあります。

逆に食物繊維の不足は、肥満や各種の生活習慣病、ひいては大腸がんなどの病気の遠因となるとも指摘されています。

また納豆菌には、腸内の悪玉菌を減少させ善玉菌を増加させるという、腸内環境を正常化するはたらきもあります。

食生活の欧米化が進むなかで不足しがちな食物繊維を補い、腸内環境を整えるためにも、納豆を食べることが有用と考えられています。

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