納豆の「ポリアミン」~アンチエイジング効果


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ヒトの細胞を含めたほとんど全ての生物の細胞に存在し、分裂によって新しい細胞を作ったり、あるいは現状の細胞を安定させるために必要な抗老化物質の一つに、「ポリアミン」という成分があります。

ポリアミンは若いうちは体内で比較的活発に合成されますが、歳をとるにつれて作られにくくなります。

超高齢化が進む日本において、「アンチエイジング(抗老化)」への関心は高まる一方ですね。

一般に細胞の老化は、体内の免疫細胞の慢性的な炎症などにより、生体細胞の酸化が進むことで加速します。すなわち「動脈硬化」が進み、身体のあちこちに老化現象が見られるようになり、生活習慣病の罹患リスクも高まります。

動脈硬化を学ぶ~その概要・予防・食事

体内の免疫細胞を活性化させることができれば、細胞の炎症とそれに伴う酸化物質の発生が抑えられて、老化そのものや加齢に伴う病気への罹患に、強いブレーキをかけることができます。


このような抗老化作用、すなわちアンチエイジング効果をもたらす重要な成分のひとつとして注目されているのが、この「ポリアミン」なのです。

医薬品の中にも、患者の炎症を抑えたり免疫力を上げる効能を目的として、ポリアミンを含有するものがあるそうです。

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このポリアミンは体内で合成されるか、あるいは食べ物を摂取することで吸収されますが、食物の中でもっとも濃度が高いポリアミンを含むのが大豆などの豆類、そしてチーズやヨーグルトなどの「発酵食品」なのです。

発酵食品では、微生物による発酵を通じてポリアミンが多く作られますが、その点「大豆を発酵させた」納豆は、原料と製造過程の両方においてポリアミンの濃度が特に高い食品なのです。


1パックの納豆の中には約500億の納豆菌が含まれていますが、この納豆菌は胃酸に比較的強く、腸に到達した後は腸内細菌を活性化させ、ポリアミンを多く作るはたらきがあります。


納豆の糸の粘りにひそむ、味と栄養では、納豆をよくかき混ぜることによってうまみ成分であるアミノ酸の含有量がアップする旨ご紹介しましたが、ポリアミンもまた食事前にたくさんかき混ぜることによって、その含有量が増加します。

食べる前に50回程度かき混ぜるだけで、かき混ぜない場合に比べてポリアミンの量が倍増するとのことです。

また納豆に卵を入れて食べることによっても、卵のたんぱく質によって納豆菌が増えるため、ポリアミンも増加します。

なお、人を対象にした実験でポリアミンの血中濃度が上がるまで8週間程度かかっていることから、効果を期待できる程度に納豆からポリアミンを摂取するには、毎日1パック程度をできるだけ続けて食べるようにしたいものです。

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